第173章

島宮奈々未が視線で合図を送ると、丹羽光世もレストランの二階にいる女の姿を捉えた。

丹羽光世が暗がりに潜む護衛にハンドサインを出すと、即座に何者かが二階へと向かった。

「奈々、先にお前は車に戻っていろ」

「わかったわ」

島宮奈々未は夏目太郎を連れて、先に車へと引き返した。

それから間もなくして、丹羽光世が戻ってきた。

島宮奈々未は尋ねた。

「どうだった?」

丹羽光世は首を横に振る。

「ただの一般人だ。仮面をつけて遊んでいたにすぎない」

「丹羽光世、あなたたち『暗夜』の強大な情報網をもってしても、『地煞』の狐の写真一枚すら手に入らないの?」

島宮奈々未は軽蔑の眼差しを向けた...

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